ポイント① 食べられる方の食事をみながら、状態によって調理を工夫しましょう。

摂食・嚥下障害の方が食べやすい食品には次のような特徴があります。

・ネバネバしたり、べたべたしたものではなく、のど越しのよい適度な粘性を持った食品
・口の中やのどを変形して滑らかに通過するような食品
・固形物と液体が混ざっているようなものではなく、密度が均一な食品

① 硬いもの、パサパサしたものなどが食べられない状態のとき

◆硬いものはできるだけやわらかく
◆バラバラするもの(野菜など)は細かく刻んで和える
◆パサパサするもの(イモなど)は油分を加えたり、水分を増したりして滑らかにする
◆卵でとじるなどしてまとまりやすくする

② やわらかくしたり、細かくしても上手に飲み込めないとき

◆食品をミキサーにかけて均一にする
◆ミキサーにかけたものをゼリー・プリンの素などでやわらかく固める

③ 通常の飲み物(水やジュースなど)が上手に飲み込めないとき

◆水やジュースなどはとろみ調整食品を使ってとろみを付ける
◆味噌汁や汁物にもとろみを付ける(具材なし) ※とろみを付け過ぎてゴテゴテにならないよう注意する。

ポイント② 食事をとりやすい環境を作りましょう

① 毎日の口腔ケアは大切です。

摂食・嚥下障害のお年寄りは唾液分泌の低下や舌運動が衰えるなどで口腔内の自浄作用が低下しているため、徹底した口腔ケアが必要です。
食事の後は特に食物の残りを取り除いたり、ブラッシングをしっかり行って口腔内を清潔にすることで、誤嚥で起こる肺炎の予防につながります。

② 食事を食べやすい姿勢を見つけましょう。

摂食・嚥下障害のお年寄りは体位の状態によって食べやすくなる場合があります。 座って上手く食べられないときは、ベットを60°ぐらいに倒して、首の後ろに枕などを入れて、頸部の筋肉をゆるめる状態にすると、食べやすくなる場合があります。 試してみてだめな場合は、さらに30°まで倒してみてください。

③ 食事に集中できる環境を作りましょう。

意識が飲み込むことに集中すると誤嚥しにくくなります。
テレビを消したり部屋のカーテンを引くなど集中しやすい環境を整えてみてください。 また、家族の声かけなども効果的です。

ポイント③ 食事の前にのどの調子を整える嚥下体操をして美味しく食べられる準備をしましょう

① リラクゼーション

② 食べる・飲み込むための準備運動

③ 発生練習